ご挨拶
2020年11月16日更新
会長 鈴木義人
4年に一度といえば,閏年,アメリカ大統領選,オリンピックなどが直ぐに思い浮かびますが,これらはいずれも同じ年に当たります。本学会が一般社団法人として再スタートを切ったのも丁度4年前のリオデジャネイロオリンピックの年でした。法人化の際,理事の任期を2年,監事の任期を4年とし,細則に「定時代議員会が終了する時点で理事の任期が満了しかつ監事の任期が満了していない場合、当該の定時代議員会において現職理事の再任に関わる決議を行う。」と定めましたので,理事が素直に再任されれば,4年サイクルで新体制と入れ替わります。現在,2020年は丁度そのタイミングにあたり,11月8日に新体制がスタートしました。しかし,今年はアメリカ大統領選挙は行われましたが,東京で開催されるはずのオリンピックは延期になりました。その原因となったコロナウイルスは,我々の日々の研究活動にも少なからず影響を与え,また研究者間の交流の妨げともなりました。研究者が一同に介する学会活動も,春に開催予定の学会はおしなべて中止を余儀なくされましたが,一方でリモートでの会議等への対応能力が個人的にも組織的にも急速に向上し,本学会も11月に遠隔開催となりました。まさに「窮すれば通ず」で,ICTを用いた会議や授業などの利点も明らかになっています。ITだAIだという時代,うまく新しい技術を活用すれば,色々な窮地も乗り越えられることが示されているのだと思います。では,「旅費もかからなくて良いので,これからはいつも学会はリモートで」となるかというと,そうはならないでしょう。ポスター会場や講演の合間、あるいは懇親会の場で,ウイルスの飛散など気にせずに,口角泡を飛ばした議論があってこその繋がりがあります。学生さんが,優れた研究者の立ち居振る舞いに触れて,何かを感じるということもあるでしょう。現在,世界中の叡智がCOVID-19への解決策を模索していますので,早晩一同に介して大会を開催できる時が来ることを期待します。
叡智といえば,本学会は「植物の化学調節」という分野の叡智が集結しています。アカデミアと企業,そして基礎から応用までの幅広い分野の優れた研究者が集うこの学会の会員であることは,それぞれの研究活動に大いに役立つことと信じています。そして,そういった優れた会員の皆様に支えられて,本学会の活動は成立しています。幹事や各委員会の委員の皆様のご協力がなくては学会の運営は成り立ちません。そして何よりも研究の発表の場として,また研究者間の交流の場として利用して下さる学会員あればこその学会です。会員数の減少や財政上の問題など,解決すべき課題はありますが,今後とも出版活動,大会開催活動,授賞活動を通して学会員の皆様に役立つ学会を目指して活動を継続していきたいと考えています。今後とも植物化学調節学会をよろしくお願いいたします。