沿革
2016年11月11日更新
1960年代初頭、黒沢英一氏によって発見されたジベレリンが植物ホルモンとして認められ、それまでの殺菌剤や除草剤だけでなく、植物ホルモンなどを利用して作物の生長を積極的に調節しようとする気運が高まりました。
このような時代背景のもと、「植物の生長調整に関する科学や技術を発展させるためには、この領域の諸問題に関心をもつあらゆる分野の人々が、たがいに密接に協力しうる体制をつくること」(植物化学調節研究会への入会のよびかけより)が必要となり、本学会の前身 「植物化学調節研究会」が、田村三郎東大教授(当時)をはじめとする約210名の研究者により1965年(昭和40年)9月25日に設立されました。以来、「植物化学調節研究会」は、植物の生長調節の基礎から応用まで、幅広い分野の研究者・技術者の情報交換と交流の場を提供してきました。
1984年(昭和59年)10月18日、植物化学調節研究会のさらなる発展を期して、本研究会は名称を「植物化学調節学会」に改称しました。現在では、生物学、生理学、化学にとどまらず、分子生物学分野の研究者と技術者まで含めて、ますます植物の生長調節の科学と技術の発展に貢献しています。
本学会のシンボルマーク(ブドウの房とジベレリンの化学構造の組み合わせ)は、研究会の創立20周年と学会への移行を記念して、1985年、村尾宵二氏(全農教)によってデザインされたものです。このマークは、種無しブドウの生産にジベレリンが利用されていることにヒントを得たものであり、植物の生長調節を通して農業生産に役立とうとする本学会の目的を象徴的にあらわしています。
本学会は、日本学術会議に第14期(1988年)より学術研究団体として登録されています。
事務局は当初、東京大学農学部内に、その後台東区台東1-26-6の植調会館内に設置されました。2001年10月より(財)日本学会事務センター内に移転しましたが、2004年8月17日同センターの破産に伴い、同年11月より笹氣出版印刷(株)内に事務局を移転いたしました。
平成28年10月3日付けで本会は一般社団法人植物化学調節学会に衣替えし、引き続き植物の化学調節に関する科学と技術の発展に貢献する活動を行ってゆきます。